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最強の武人が、病弱な四歳の令嬢に転生した。
そんな物騒な主人公ニアの周りには、なぜか彼女に負けず劣らず濃い人たちが集まります。
主人への愛情が暴走する侍女たち、幼いのに恋愛を語りたがる王女、友達の危険性を誰よりよく知る令嬢。みんな大真面目だからこそ、会話の着地点がひどいことに。
今回は、漫画第1〜9巻から印象的な掛け合いを11エピソード集めました。
離れた巻にある、あとから思い返すともっとおかしい場面も一緒に紹介します。
※この記事は漫画第9巻までのネタバレを含みます。 アニメだけをご覧の方はご注意ください。
1.リノキスの愛は、今日も一方通行
リノキスは、ニアの侍女であり武術の弟子でもあり、私としてはこの漫画の真の主人公ではないかとすら思っています。
ニア・リストンに命懸けで仕える侍女なのですが、主人であるニアに求めるものが少々多いし、いちいち重い。
ニアが車椅子を使わなくなってからは、手をつなぐ機会が減ったと寂しがり、袖をつかむだけでもいいと食い下がる→ニアは丁重にお断り。
そして第3巻では、リノキスは自分の身も心も、もちろん身体までニアに捧げていると熱弁します。
まるで将来の所有権まで押さえたかのような勢いです。
ニア「心は知らないけど、身体を捧げられたことはないわね」
リノキス「もう予約入ってますから、その時が来たら私の身体も手に入りますよ!」
→それを聞いたニアは心の中で(・・・その時が来たら予約はキャンセルするとして)
リノキス、キャンセル料もらわないと。
というか、「その時」っていつなんだろ。
更に次の話、ニアはリノキスを武闘大会の資金集めに誘おうとして、つい「ねえリノキス。あなたは私に身も心も捧げてくれたのよね?」と聞きます。
リノキスは「その時が来た!」と思ったのか、「も、もちろんですけど!?」と服を脱ぎ始めます。
もちろんニアはそういう意味(どういう意味?)でリノキスの身体が欲しいわけではないので、冷静に止めます。
「ああ服は脱がなくていいわ」
「脱がないで」
「脱ぐな」
脱ぐな、の三段活用をするも・・・

これが異性だったら事案です(いや、同姓でもダメか)
ニアに貢献しようと、そしてあわよくば自分のすべてを受け取ってもらおうと隙を伺うリノキス、冷静にリノキスの攻勢を捌くニア、この対比は本当に癖になってしまいます。
リノキスが報われる日が来て欲しいような、来なくていいような。
リノキスの偏愛エピソードは他にもあるので、こちらにまとめました。
2.リノキスに与えられる罰、叶わないご褒美
勝ったご褒美は、お嬢様の手料理……のはず
学院のクラブ見学で、ガンドルフとの手合わせを命じられたリノキス。
ニアは勝ったら好きなものを食べに行こうと約束します。
では、負けたら? 答えはイメージ映像にモザイクが入るレベルの、丸一日の荒行。

リノキスは手合わせに勝利し、希望を尋ねられます。
せっかくなので、「お嬢様の手料理を食べたい」と申し出ますが、ニアの返事は「わかったレストランね」。
そのまま王都の店選びが始まります。
手料理という単語、届いていましたか?
これはいくら何でもリノキスがかわいそう。その上、また荒行が待っているし。
ニアお嬢様、少しはリノキスの話を聞いてあげてください。
添い寝の約束は果たされた。ただし本人は知らない
第2巻第10話では、闇闘技場で剣鬼と戦ったリノキスが腕を斬られ、治療を受けます。
そもそもニアが約束を破って部屋を抜け出して闇闘技場に行ったことが原因で、しかも主人を守ろうとしたのだから、少しくらい甘えたくなるのも当然でしょう。
そこでリノキスが要求したご褒美は、ニアとの添い寝でした。
今回はさすがに自分が原因だし、もっと話し合うべきだったと反省するニア。
翌日、ニアの寝台で眠るリノキスを見つけたお嬢様。リノキスの要求を思い出し、「仕方がないな」と布団に入る・・・瞬間

原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石・刀彼方
そのままニアは、ちゃんと隣で寝てあげました。そして後日、リノキスは再び添い寝の件を持ち出します。
ニアの説明は「添い寝はした」「あなたが起きなかった」。
実施済み。本人だけが未確認。

原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石・刀彼方
この扱いは後の巻でも変わりません。
寒中水泳のような修行で苦しんでいれば、ニアはリノキスを心配したりせず、寒い中での修行をやりたがる始末。
さらにリネットが無断でニールに氣を教えたときは、罰として厳しい修行が始まります。
なぜか一緒に倒れているリノキスの「なんで私まで」に、ニアはひと言。
「ついでよ」
ついでの規模が大きすぎます。
3.不信感だらけの、信頼できる侍女?
リノキスは、戦闘も警護もこなす優秀な侍女。ニアが安心して身を任せられる、頼もしい存在です。
もっとも、主人と手をつなぎたくて仕方がなかったり、気に入らない相手に物騒なことを言い出したりと、挙動には少々(いやかなり?)問題があります。
ニアの口から出てきたのは、「いつもの不審感があるし大丈夫だな」。
不審感があるのに、大丈夫。しかも「いつもの」。
そんな二人の日常が、後の第5巻で春休みの予定表になります。
撮影、仕事、修行、宿題……忙しそうな項目が並ぶ中に、こんな予定がひっそり。
「油断ならないリノキスを牽制」
長期休暇のスケジュールに、侍女への警戒活動が標準搭載されています。

原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石・刀彼方
多忙な休みでもリノキスへのけん制は怠らない、さすがは元武神です。
4.レリアは知っている。この子が本当に危険だと
魔法映像の仕事を通じて親しくなったニアとレリア。二人は何かと張り合いますが、レリアには一つだけ、どうしても譲れない問題があります。
ニアの求める「普通」が、まるで普通ではないこと。
第2巻第6話、番組の企画で戦う映像の話になると、ニアは
「勝負ごとに流血は付き物じゃない!最悪死んでも仕方ないって!」
と、レリアに熱弁します。
レリアは思わず「えっ、死!?なんで!?その発想怖い!」と。
もちろん、レリアの感想は普通で、とても真っ当なんですが、ニアには受け入れ難いようです。
そして別の日、学院を歩いていると木刀を持った少年たちが、剣術道場への勧誘として、ニアたちに勝負を挑みます。レリアが慌てて止めに入り、こう警告しました。
レリア「この子は危険よ 本当に危ないから」
ニアは、自分を守ろうとする友人の優しさに感激しますが、すぐに少しだけ考え直しました。
もしかしてレリアが守っているのは、挑戦してきた少年たちの方なのでは。
レリア「私が押さえているうちに早く。何ぼーっとしているの!?早く行きなさい」
……レリアの話、ちゃんと聞いていました?
レリアはニアの日常の発言を聞いて、ニアの危険性をしっかり知っているのでした。
5.ヒルデ王女、あなたがそれを言いますか?
王女ヒルデトーラは、恋愛に憧れるお年頃。といっても、まだ八歳です。
恋愛ものの企画を相談すると、ヒルデは大人の恋のもどかしさを力説します。
そのヒルデには、政略結婚という深刻な悩みもあります。ヒルデは王族の子女なので既に許嫁候補がおり、かなり年上で典型的な政略結婚であること。
王族として受け入れてはいるものの、素敵な王子様に攫ってほしいと熱弁するヒルデ。
その隣で、ニアとレリアはパイの味を語り合っていました。
痛々しい話ですし、そりゃあ関わりたくないですよね。。。
自分だけ取り残されたヒルデは、友人たちへの恨み言を口にします。

原作:南野海風、漫画:古代甲、キャラクター原案:磁石・刀彼方
いえ、あなたは本当に権力を持っているんです!発言に気をつけてください、ヒルデトーラ様!!
6.リネットのニール愛「も」、昔から何かがおかしい
リストン家の財政が厳しかった頃、兄ニールは家族のためなら自分の結婚も利用しようと覚悟を決めていました。
立派な覚悟ですが、まだ幼い兄にそこまで背負わせたくないニアは止めます。
それでも正義感が強く、献身的な兄の態度・発言は、ニアにとって愛おしいものと感じているようです。
そんなやり取りのそばで、兄付きの侍女リネットが、妙な顔をしてぽつり。
「金があれば…」

原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石・刀彼方
リネット、あなたお金を貯めてニールを手に入れようとしていませんか?ショタだし、仕えるべき主人ですよ!!そして第3巻。ニアはリネットに、もしニールから十億クラムを求められたらどうするかと尋ねます。
リネットの答えは即答で、
リネット「可能か不可能かは別として、最大限貢ぎます」
可能か不可能かは大事だし、即答というのが怖い。
なお、ニアは武闘大会の資金稼ぎの手数として判定していたようですが、結果は「合格」。(リノキス張りの不信感を感じながら)
さらに第8巻の武闘大会。
ニールから頑張れと励まされたリネットの頭の中では、ニールから活躍して褒められ、さらには結婚を申し込まれるところまで脳内妄想が暴走します。
ニールが言ったのは、あくまで応援の言葉、侍女を応援する冒険好きな主人の「応援の言葉」です。
ホント、この世界にまともな侍女はいないのでしょうか・・・
7.十億クラムを「頑張る」で済ませるニア
武闘大会を開催するため、国王との約束は二年で十億クラムを集める。
ニアはそう約束したものの、10億クラムの価値が分からず、ヒルデに相談します。
ヒルデは、「10億って一生必死で働いても手が届かない金額ですよ?」
ニアはそれを聞いたのに「なんとかなるでしょ」「2年で10億だから1年で5億ずつね、頑張るわ」と言います。
金額だけなら、気軽に口にできる規模ではありません。
ヒルデは、「頑張るという言葉はそんなに万能じゃないです!!」。
たいへんごもっとも。
王女様のツッコミ、今日も正しいし、そんなアドバイスを初めて聞いた。
しかし、後の10億クラムを稼いでしまうニアの活躍を知っていると、こんな無茶な計画も本当に動き出してしまうのが、この作品の恐ろしいところ。
9.フレッサのニール愛は危険すぎる
アンゼルが受けた護衛の依頼。その護衛対象は、ニアの兄ニールでした。
それを知ったフレッサは、仕事を代わらせろと猛攻撃。
報酬の取り分を譲ると言い、それでも駄目なら無報酬でも同行すると迫ります。
仕事熱心にもほどがありますが、本人の目的は最初から別にありました。
「隙あらば攫いたい」
……護衛する相手を?
フレッサはニールに叩きつけたい欲望を吐き、冒険者としてニールに憧れられているベッカーには物騒な嫉妬まで向けます。
アンゼルが一緒に連れていくこと自体、かなり勇気のいる判断です。
そして暑い中、無報酬でついてきた警護では何も起こらず、ニールは見えるところにいるのに何もできない、イライラするフレッサは・・・

フレッサの目が完全に逝っており、発言まで犯罪者のソレです。
美人なお姉さんのキスなので、おじさん冒険者のベッカーさんなら喜ぶような話ですが、ニールにとっては罰ゲームかもしれません。
お巡りさん、こっちです!!!
そんなフレッサの正体はこちら↓
10.襲撃犯への報復。アンゼル、出番はありますか?
そのニールが乗る飛行競技用の単船に事故が起こり、ニールは命の危険にさらされます。
アンゼルはニールを必死に助け、事故を起こさせた何者かを調べ始めます。
ニールを狙った可能性のある連中がいる。これを聞いて黙っていなかったのが、リネットです。
アンゼルのもとへ現れ、相手の居場所を聞き出そうとします。犯人だと断定できる証拠はまだない、と言われても引きません。
そこへ、強火厄介オタのフレッサも加わり、夜の制裁へ。(同担拒否っぽい二人ですが、共通の敵が現れたら協力できるようです)
さて、アンゼルの役目はというと……。
「打ち漏らし待機中」
仲間たちが次々に片付けていくので、本当に自分の出番はないかもしれないと考えるアンゼル。
もちろん完全な見物人ではありません。
逃げる男を止め、女性二人の「行き過ぎた制裁」に待ったをかけ、最後は脚龍側の者への引き渡しも担当しました。
この日いちばん忙しく大変だったのは、きっとアンゼルです。
11.企みを見抜かれたニア、レリアの手を握る
絵の才能を持つリクルビタァの作品を、魔法映像に生かせるのでは。ニアがそんなことを考えていると、レリアがその思惑を見抜きます。
さすが友人、よく分かっています。
ところがニアは、なぜかレリアの手を握ってごまかそうとしました。しかも、じわじわと力が入ります。
痛がるレリア。ニールに何をしているのか問い詰められても、ニアはその手の可愛さを褒めているだけだと言い張ります。
いや、可愛い手をそんな力で握らないでください。
結局、レリアには警戒され、目論見も思いどおりには進みません。
珍しくニアの小細工が通用しなかった日。
出典:漫画『凶乱令嬢ニア・リストン』第3巻第11話
まとめ|ニアたちの会話は、たまに戦いより物騒
主人に身も心も捧げる侍女と、その侍女に不審感を覚える令嬢。
友達の危険性を察知するレリアに、権力者としての自覚を突っ込まれる王女。
こんなやり取りが、命懸けの戦闘や大きな事業のすぐ隣で、ごく普通に交わされています。
第1巻から読み返してみると、初めて読んだときは何気なかった一言が、後の巻で思わぬ形につながることも。
皆さんも、お気に入りの一場面を、ぜひ探してみてください。
人物同士の関係をもっと読みたい方は、リノキスの人物紹介、リネットとニールの関係、レリアの人物紹介もどうぞ。
リンク先には漫画第9巻までのネタバレが含まれます。
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ヒルデの政略結婚のやり取りや、リノキスのガンドルフ戦が収録された漫画第2巻はこちら。
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