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『凶乱令嬢ニア・リストン』に登場するリノキスは、主人公ニア・リストンに仕える侍女です。
しかし、ただの侍女ではありません。
ニアお嬢様への愛情は「忠誠心」という言葉では到底収まらないほど重い一方で、護衛として強くなるためニアに弟子入りし、彼女の無茶な行動を陰から支える有能さも持っています。
そして何より、ニアのことになると殺意・ストーキング・添い寝要求・謎理論まで飛び出す。
それなのに肝心なところでは非常に真剣で、ニアが無茶をする時には誰よりも彼女の立場を考えて動く――。
本記事では、そんな「ヤバい侍女なのに、ものすごく頼りになる」リノキスについて、第1巻・第2巻・第4巻のエピソードを中心に、その魅力を徹底解説します。
※本記事はコミックス第1巻・第2巻・第4巻のネタバレを含みます。
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2026年11月26日23:59まで。アニメから原作コミックを試してみたい方や、リノキスの初登場から読み返したい方におすすめです。
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他のキャラクターについて知りたい方はこちらもご覧ください。
リノキスとは?ニアお嬢様を愛しすぎる侍女
リノキスは、リストン家の令嬢であるニアに仕える侍女です。
病弱だった幼いニアの身の回りを世話し、回復後も行動を共にすることになります。
表面的には侍女としてニアを支える立場ですが、彼女を語るうえで絶対に外せないのが、ニアお嬢様への異常なまでの偏愛です。
ニアお嬢様に触れたい。
ニアお嬢様と一緒に寝たい。
ニアお嬢様に失礼な相手は許せない。
そして時には、ニアに少し強く当たった相手を物理的に消そうとすることさえあります。
……侍女とは??
ただし、リノキスを単なる「お嬢様大好き変人」と考えると、このキャラクターの魅力を半分しか見ていないと思います。
彼女はニアを本気で守ろうとし、ニアの強さを誰よりも理解し、自分自身もその隣に立てるだけの強さを手に入れようとする人物なのです。
シャロを闇に葬ろうとするリノキス【第1巻第2話】
リノキスの危険なお嬢様愛が早くも炸裂するのが、第1巻第2話。
双王子の所属する劇団氷結薔薇(アイスローズ)で期待されている新人、シャロ・ホワイトとニアが出会います。
ニアには劇団への参加依頼も来ており、その流れの中でシャロはニアに対して少々強く当たります。
それを見たリノキスは――。
「――ああ、もう我慢できません。あいつ殺しましょう」
と、完全にアウトな方向へ進もうとします。

原作:南野海風 漫画:古代甲 キャラクター原案:磁石、刀彼方
当然、ニアに制止されました。
いや、止められなかったら本当にやるつもりだったのか。
ニア自身はシャロとのやり取りをそれほど深刻には考えていません。
しかしリノキスにとっては、お嬢様に不愉快な態度を取ったというだけでも十分な理由になってしまうようです。
この時点ですでに、リノキスの価値基準が「世間一般」ではなく「ニアお嬢様」を中心に回っていることがよく分かります。
偏愛だけじゃない!ニアの一番弟子になる【第1巻第4話】
しかし、リノキスの魅力はこうした暴走だけではありません。
第1巻第4話では、ニアの強さを知ったリノキスが非常に真剣な表情で頼みます。
リノキス「お嬢様、私に稽古を付けてくれませんか?」
ニア「・・・・どういう意味の稽古?」
リノキス「戦う意味の稽古です お嬢様より弱くては護衛の意味がありませんから」
ここは、個人的にリノキスというキャラクターを見るうえで非常に重要な場面です。
普段は欲望全開でニアに迫っているリノキスですが、「お嬢様を守れる自分でありたい」という気持ちは本物なのです。
ニア自身もリノキスを弟子として認めます。
一方で、ニアは――。
「厳しくしすぎて壊さないよう気をつけよう」
と考えています。とても不穏ですが、この後リノキスは何度も壊れかけてしまいます……。
レリアが気に入らない!侍女エスエラと謎の対立【第1巻第5話】
王都にあるアルトワール学院小学部へ入学するため、ニアとリノキスは王都へ。
そこでニアはヒルデトーラ・アルトワール(ヒルデ)、そしてレリアレッド・シルヴァー(レリア)と出会います。
この3人は、後の物語を大きく動かしていくことになります。
レリアはニアと同い年であり、シルヴァー領も魔法映像放送局を持っていることから、ニアに強い対抗心を燃やしています。
レリア「ヒルデトーラ様の顔を立てるために私もあんたに協力するわ。でもあんたには負けないから!」
ニアはそんなレリアのことをむしろ気に入ります。
ところが、リノキスは違う。
「あんなのと友達になんてなりませんよね? 私は嫌ですよ?」
そしてレリアの侍女エスエラと話した時には、レリアを「あんな無礼な赤毛」呼ばわり。
エスエラも黙っておらず、一般的に見ればレリアの方が可愛いと反論します。
最終的には――。
リノキス・エスエラ「いずれお前には拳でお嬢様の可愛さを叩きこんでやるからな!!」
と、そこだけは完璧に心がシンクロ。
なぜ可愛さを拳で理解させようとするのか。
リノキスとエスエラの侍女としての方向性は意外と近いのかもしれません。
このエピソードを含むリノキスの「偏愛」そのものについては、別記事でも詳しくまとめています。
「二人きりの生活」をなぜか「同棲生活」に言い換える
同じ第1巻第5話では、アルトワール学院の寮に入った二人のやり取りもあります。
貴人の子は使用人を一人連れてくることが許されており、ニアの部屋の隣にはリノキスが使う小部屋があります。
そこでリノキスは嬉しそうに――。
リノキス「これから二人きりの生活ですね。言い換えると同棲生活ですよね」
ニア「なぜ言い換えたの?」
リノキス「とりあえず寝ます? 一緒に」
ニア「早く荷物を解きなさい」
相変わらずです。
隙あらばニアにくっつこうとするリノキスと、それをほぼ無表情で処理するニア。
この「暴走するリノキス」と「冷静に躱すニア」の温度差も、この二人のやり取りの面白さだと思います。
実はしっかり強い!ガンドルフをローキック一発【第2巻第6話】
第2巻に入ると、一番弟子として修行してきたリノキスの強さが分かる場面も増えてきます。
第6話では、天破流の師範代ガンドルフと手合わせ。
ニアのもとで、ついついモザイクが必要になりそうなほどの荒行を積んだ成果なのか、リノキスはガンドルフをローキック一閃。
ガンドルフは痛みで動けなくなり、勝負あり。
ちゃんと強い。
ここがリノキスの素敵なところです。
ギャグ方面のインパクトが強すぎて忘れそうになりますが、ニアの弟子として修行を続け、その成果をきちんと出しています。
ニアの悪だくみを把握してアンゼルへ口止め【第2巻第7話】
ニアは、アンゼルの居酒屋「薄明リノ影鼠亭」へ出入りし、いろいろと悪だくみを始めます。
もちろん、リノキスもしっかり把握しています。
しかもアンゼルのもとまでやって来て、ニアが「リストン家のお嬢様」であることを他人に漏らさないよう警告。
ニア自身に気付かれず、その行動を追跡しているようにも見えます。
ストーカー能力まであるのか。
いや、侍女としての情報収集能力と言うべきなのでしょうか。
どちらにしても、かなりの修練……というより執念が必要そうです。
闇闘技場へ行くニアに般若と化すリノキス
そしてニアの次なる悪だくみは、闇闘技場へ行くこと。
当然、リノキスは反対します。
ところがニアは譲歩案として――。
「絶対に出場はしない。見に行くだけにするわ」
と言い出します。
……「譲歩」とは?
そんなニアに対し、ついにリノキスは般若のような顔になります。

原作:南野海風 漫画:古代甲 キャラクター原案:磁石、刀彼方
さすがのリノキスも、これには限界。
普段はニアを全肯定しているように見えて、危険な行動に対してはしっかり止めようとします。
このあたりを見ると、単なる盲目的な信者ではなく、本当にニアの身を案じる侍女なのだと分かります。
「本当に行った」――そしてミス・サーバント参戦【第2巻第8話】
しかし第8話。
ニアは本当に夜の街へ出ていきます。
それを知ったリノキスは――。
「・・・本当に行った。・・・はあ。・・・本当に。仕方のない人だ」
と呆れます。
一方その頃、ガンドルフ・アンゼル・フレッサの協力を受けて闇闘技場へ入り込んだニア。
そこへ「ミス・サーバント」という強い女性選手が登場し、ネタ枠のようなスカーレットをぶっ飛ばします。
そしてガンドルフが一言。
「あれはあなたの侍女では?」
いる。
ちゃんとついてきている。
止めても無駄なら、自分も現場まで行く。
それどころか選手として出場する。
このあたりの行動は、リノキスという人物をよく表しています。
ニアの無茶を完全に封じ込めようとするのではなく、止めきれないと判断すればその無茶を成立させながら、近くで見守れる位置に入るのです。
剣鬼アスマに敗北。それでも添い寝を要求する【第2巻第9話】
しかし、闇闘技場は甘くありません。
第9話でリノキスは剣鬼アスマと戦い、大けがを負います。
闇医者の治療によって何とか回復したリノキスに、ニアは素直に――。
「ごめんなさい」
と謝ります。
まあ、そもそもの原因はニアお嬢様が闇闘技場へ行ったことなので、当然といえば当然なのですが。
ところがリノキス。
ここぞとばかりに、その弱みに付け込んで「添い寝」を要求します。
腕を斬られ、一度くっつけてもらった直後なのに。
元気すぎる。
さらに翌日、学校から戻ったニアが自室を見ると、リノキスはニアお嬢様のベッドでぐっすり眠っています。
ニアは、それを「添い寝をしろということか」と理解。
そして――。
リノキスのお腹に強烈な一発を入れてから、添い寝してあげます。
あれ。
リノキスの魂が抜けているように見えますが……。
これもまた、ニアとリノキスらしい関係です。
実は自分を冷静に分析しているリノキス【第4巻第19話】
リノキスのおかしさがさらに際立つのが、第4巻第19話。
彼女は、ニアの可愛さを批評すると同時に自分自身については非常に冷静な分析をしています。
「可愛ければなんでもいいという人間は私を筆頭に掃いて捨てるほどいます」
「今後は私以外の大人には『こいつ子供でも平気かもしれない』という、かもしれない精神を持ってほしいのです」
という、とんでもないもの。

原作:南野海風 漫画:古代甲 キャラクター原案:磁石、刀彼方
ここがリノキスという人物の面白いところだと思います。
自分がおかしいことを理解していないわけではありません。
かなり正確に自己分析できています。
なのに、その冷静な分析を積み重ねた結果、なぜか最後は「かもしれない精神」へ到達する。
狂気と冷静さが同じ人物の中に普通に同居している。
これもリノキスの大きな魅力でしょう。
リノキスはニアの無茶を「止める人」だけではない
ここまでの行動を並べると、リノキスの立ち位置がかなり見えてきます。
- ニアに失礼な相手には本気で怒る
- 危険な行動は止めようとする
- それでもニアが行くなら状況を把握してついていく
- リストン家のお嬢様として問題が起きないよう裏から処理する
- 自分自身もニアの隣に立てるよう強くなる
ニアは、普通の侍女が仕えるにはあまりにも自由です。
暴漢を殴りに行く。
マフィアへカチコミをかける。
闇の地下闘技場へ侵入する。
普通なら全力で止めるしかありません。
しかしリノキスは、ニアの性格と実力を知っています。
だからこそ、ただ禁止するのではなく、場合によっては見守り、追跡し、周囲に口止めし、自分まで現場へ入り込む。
つまりリノキスは、ニアの無茶を止める人であると同時に、ニアが「リストン家のお嬢様」でいられるよう無茶を支える人でもあるのです。
偏愛・強さ・忠誠心――リノキスの魅力は一つではない
リノキスというと、どうしてもニアへの偏愛エピソードが目立ちます。
実際、それは間違いなく彼女の最大級の個性です。
しかし読み返してみると、それだけではありません。
ニアが強いと分かれば、その強さに甘えるのではなく、「護衛として自分も強くなければならない」と弟子入りする。
ニアが危険な場所へ行けば、怒りながらも結局は近くまで追いかける。
ニアの正体が問題になりそうなら、本人に知られないところで先回りして口止めする。
そして大けがをしても、隙あらば添い寝を要求する。
……最後だけやっぱりおかしい。
それでも、リノキスがここまで魅力的なのは、ギャグとしての偏愛と、ニアへの本気の忠誠心が両立しているからではないでしょうか。
まとめ|リノキスは「ヤバい侍女」であり、ニアの最高の相棒でもある
リノキスは、ニアお嬢様を愛しすぎています。
シャロを闇に葬ろうとし、レリアに敵意を燃やし、隙あらば添い寝を狙い、さらには「かもしれない精神」なる独自理論まで展開する。
これだけなら、完全に危険人物です。
ところが同時に、ニアの一番弟子として修行し、護衛として強くなり、ニアの無茶を把握し、必要なら自分まで危険な場所へ飛び込んでいきます。
偏愛しているからこそ誰よりもニアを理解し、そして誰よりも近くでニアを支えようとしている。
そこがリノキスの最大の魅力だと思います。
そして、ここまで紹介してまだ第1巻・第2巻・第4巻の一部。
リノキス、書くことが多すぎる。
今後の巻についても、印象的な場面を順次追記していきます。
リノキスを原作コミックスで読む
この記事で紹介したリノキスの原点は、第1巻からたっぷり描かれています。
シャロへの殺意、一番弟子になる場面、レリアやエスエラとのやり取りまで、まずは第1巻から読むのがおすすめです。
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