『凶乱令嬢ニア・リストン』アニメ第5話感想・考察|(90点)ガンドルフ戦と魔法映像会議

ベンデリオとは?ニアが殴りたい撮影監督の実力と「師匠」の関係【凶乱令嬢ニア・リストン】

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ベンデリオとは?ニアが殴りたい撮影監督の実力と「師匠」の関係【凶乱令嬢ニア・リストン】

この記事は漫画第9巻第42話までのネタバレを含みます。

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あのニア・リストンが、顔を見るたびに殴りたくなる男がいます。剣の達人でも、恐ろしい魔獣でもありません。リストン領放送局の撮影監督、ベンデリオです。

せっかくの長期休暇に待っているのは、ぎっしり詰まった撮影予定。最強の武人も、この仕事からはそう簡単に逃げられません。ところがニアは、その張本人を魔法映像の「師匠」とも認めています。

なぜ殴りたいのか。それなのに、なぜ師匠なのか。夏休みの37本撮りから学院で受け継がれる技術、全国武闘大会での取材まで、ベンデリオの実力と厄介な魅力を見ていきましょう。

ベンデリオのアニメ声優(CV)・代表作

TVアニメ『凶乱令嬢ニア・リストン』でベンデリオを演じるのは、坂口候一さんです。声優の代表作やプロフィールを、所属事務所等の公式情報に基づいて紹介します。

声優(CV)坂口候一さん
代表的なアニメ出演作『銀魂』ハタ皇子役/『イナズマイレブン』雷門総一郎/安西勝役
所属81プロデュース
誕生日・人物情報2月10日生まれ。東京都出身。趣味・特技は殺陣など。大型自動二輪免許を保有。
公式プロフィール・SNS所属先公式プロフィール/本人名義の公式SNSは所属先資料で確認できていないため、未掲載です。

出典:TVアニメ『凶乱令嬢ニア・リストン』公式サイト、81プロデュース公式プロフィール。

声・演技の特徴(当サイトの感想):個性的な口調やコミカルな人物を生き生きと演じる表現力が魅力です。ベンデリオの現場監督らしい押しの強さと、どこか憎めない言動が聴きどころです。

ベンデリオとは?プロフィールと役職

項目内容
名前ベンデリオ
所属リストン領放送局
役割魔法映像の撮影監督・撮影班責任者
初登場漫画第1巻第1話
年齢・出身地不明
ニアとの関係撮影監督と出演者。魔法映像ではニアが師匠と認める相手

ベンデリオは放送局の現場を仕切る人物で、局長はニアの父です。
ほかの登場人物との関係は、キャラクター早わかりガイドでも整理しています。

くどい顔とプロデューサー巻き。でも初対面は丁寧

ベンデリオは肩に服を掛けた、いわゆるプロデューサー巻きが印象的。
いかにも業界人らしい姿に、ニアが「くどい」と感じる顔が組み合わさり、一度見ると忘れにくい監督です。

ただ、第1巻第1話の初対面では、車椅子のニアに対して膝を折り、目線を合わせて挨拶しています。
親しげな話し方も含め、相手に合わせて接する様子が分かります。

後の過密撮影だけを見ていると忘れそうですが、すべてで乱暴に人を扱う人物ではないんですね。

冬の撮影でニアを迎える、笑顔のベンデリオ
引用:『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』第4巻第16話
原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石、刀彼方

この笑顔だけなら、気さくな監督に見えます。
人当たりのよさと仕事の容赦のなさが同居しているから、ニアにとってはなおさら厄介なのでしょう。

ベンデリオはなぜ優秀な監督なのか

「リストン領遊歩譚」を地酒や特産品の売上につなげる

第1巻第1話でニアは、ベンデリオの番組「リストン領遊歩譚」について、飲酒の場面が多いのではないかと指摘します。
そこで彼が説明するのは、地方の酒や特産品は視聴者の受けがよく、放送後によく売れるということでした。

つまり、番組で土地の魅力を見せ、その土地の商品を買いたくなる気持ちにつなげているわけです。
単に自分の好きなものを撮っているのではなく、視聴者の反応と商売の両方を見ている。
ここに、ベンデリオの企画者としての強みがあります。

Youtubeの広告、というよりは案件動画に近いものですね。

魔法映像が作中でどんな役割を担っているかは、ニアペディアの魔法映像・放送局の解説を読むと、彼の仕事もつかみやすくなります。

好評だった出演を、次の企画へつなげる

第1巻第2話では、前の放送の反響がよかったとして、ニアと兄に再出演を打診します。
撮ったら終わりではなく、反応を確かめて次の仕事へ進む。その動きの早さも優秀な監督に必要な能力なのかもしれません。

魔法映像と魔晶板の普及には宣伝が必要だという説明もあり、目先の一本だけでなく、映像を見る人そのものを増やそうとしています。
撮影、演出、出演者の起用、販促をひと続きで考えられる人物、と評価できるでしょう。

ただし、好評だから次もお願いしたい=出演者の予定が空いている、ではありません。
この有能さは、やがてニアの休暇をむしばんでいきます。

長期休暇を地獄に変える撮影スケジュール

ベンデリオの仕事ぶりを語るうえで外せないのが、長期休暇の集中撮影です。漫画で確認できる期間と本数を並べると、ニアが身構える理由も分かります。

時期期間・本数ニアのコメント
1年生の夏休み2週間で37本「みんな泣きおって・・・私も泣くぞ?」(第2巻第10話より)
1年生の冬休み10日で26本「ーそう、出稼ぎに行くためにはオフの日を捻出する
 必要があるということ・・・・・・
 それが示すのは  夏の再来」(第4巻第16話より)
1年生の春休み約1週間で11本「朝早く家を出て夜寝るためだけに帰る生活が、
 さきほど王子と合流するまで続いていました」(第5巻第22話より)

夏休みはたった2週間で37本。冬休みも10日で26本。
私は撮影したことはありませんが、1日に2~4本の撮影、しかも連続で行うというのは尋常ではなさそう。

どんな状況でも心臓に毛の生えているニアは平然としていますが、ベンデリオの撮影だけは身も心もボロボロになっているようです。

【1年生の夏休み撮影】涙、家族、逃亡者の追跡。現場はもう限界

第2巻第10話では夏休みの撮影地獄が描かれており、理由もなく涙が出てきたり、家族に会いたくなったりする撮影現場の様子が語られます。
さらに逃げた仲間を、ほかの仲間が追いかける。助け合いの方向が、完全におかしい。

ニアもスタッフも、ベンデリオ(監督)の顔を殴りたいという思いで一致していきます。
ここは、「仕事を乗り切る仲間意識が、監督への恨みでまとまってしまう」という構図に注目したい場面です。
共通の敵がいれば、団結力は上がりますし。

その一方で、撮影後にはベンデリオがみんなの労をねぎらう場(バーベキュー)も描かれます。
ですので、ベンデリオが現場を一切顧みない人物、とまでは言い切れませんが、打ち上げがあれば過密撮影の苦労が帳消しになるわけでもありません。
まずは十分に休ませてあげてほしいところです。

この撮影地獄の描写は漫画第2巻第10話に収録されています。スタッフまで追い詰めるベンデリオの仕事ぶりを、原作で確認したい方はこちらから。

【1年生の春休み撮影】地獄の撮影後には第二の刺客(?)ブラック企業戦士思考のヒエロ王子

1年生の春休みは撮影本数は他に比べて少ないものの、撮影直後にヒルデの兄、ヒエロ王子と合流して次の撮影に入ります。
するとヒエロ王子は・・・

引用:『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』第5巻第22話
原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石、刀彼方

ヒエロ王子は王族ですが、ベンデリオの親類ですかね?
ショートスリーパーでも一日30分は寝るというのに。
魔法映像に関わる人材はみんなどこか壊れているのでしょうか、それとも壊れているから魔法映像に惹かれるのか。

なお、ヒエロ王子はニアに「手刀でトン(正確には『ド』)」をやられて、強制的に休みを取らされます。
そりゃニアも実力行使に出たくなりますよね。

【2年生の春休み撮影】元気なのは監督ばかり

第7巻第30話の春休みにも、疲れたスタッフと元気なベンデリオの対比が登場します。
企画を持ってくる監督の後ろで、スタッフはすでに消耗した顔。
終わったころには、さらに生気が抜けて怨霊と化しています。

春休みの撮影で疲弊するスタッフと、対照的に笑顔を見せるベンデリオ
引用:『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』第7巻第30話
原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石、刀彼方

周囲の疲労をよそに、ベンデリオはもう次の夏休みを楽しみにしています。
この温度差こそ、撮影地獄の怖さでしょう。
前後の展開は漫画第7巻のあらすじ・感想で紹介しています。

ニアはなぜベンデリオを殴りたいのか

ニアは常々、ベンデリオを「いつか殴る」と言っています(もちろん、実行はしていませんが)。

理由はもちろん「顔がくどいから」だけでなく、地獄の撮影スケジュールでしょう。

ニアにも修行や友人との予定があり、休暇にやりたいことがある。それなのに、帰省すると待っているのは次々とやってくる撮影です。
しかも相手は、敵として襲ってくるわけではありません。
放送局の仕事を頼みに来る監督で、ニア自身も自分の出演が局の力になることは放送局局長であるニアの父、ひいてはリストン領へ恩返しすることにつながる、と理解しています。
ですので、腕力で倒せば丸く収まる関係ではないのです。

脳筋で、多くの問題事は武力で解決してきたニアも、ベンデリオだけは倒せない「天敵」と言えるのではないでしょうか。(精神的なダメージも毎回受けているし)

初対面では丁寧に接し、仕事では容赦なく予定を詰める、まさに「丁重な酷使」です。
そして、ようやく終わったと思ったころには、監督の関心は次の撮影へ。

ニアの「殴りたい」には、一度きりの腹立ちより、積み重なった仕事の記憶がにじんでいるように感じます。

実はニアの魔法映像の師匠だった

「師匠」だけど「殴りたい」

この関係を考えるうえで最も重要なのが、第5巻第24話のワンシーンです。

学院の準放送局で中等部の先輩たちに助言したニアは、自分の技術をベンデリオから学んだものだと気付き、彼を「この業界での師匠」と実感します。
視聴者に分かりやすく伝えること、比較したり対談形式にしたり、これらはベンデリオから学んだものだったのです。
そして最後に「殴りたいが」と付け加えるのです。

引用:『凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録』第7巻第30話
原作:南野海風/漫画:古代甲/キャラクター原案:磁石、刀彼方

武術では教える側、魔法映像では教わる側

ニアは武術の分野では、他者を導く圧倒的な経験と実力を持っています。
侍女であり弟子でもあるリノキスとの関係では、ニアが教える側に立ちます。

ところが魔法映像の現場では、ベンデリオから知識や技術を学んでいる。
分野が変われば、先生と生徒の立場も変わります。

だからこそ、この師弟関係は、ニアが専門家の仕事をきちんと評価できる人物であることを示している、と私は感じます。
気に入らない、殴りたい相手でも、技術まで否定しない。
そして自分の知らない領域を認め、そこから学んだものを使えるのがニアの強みでしょう。

ただし、何を撮りたいかを考える発想、仲間と話をまとめる力、実際に動く行動力はニア自身のものでしょう。
学んだ制作技術を土台として、自分の企画に応用している、これもニアの優れた一面です。

師匠という評価に至る流れや学院での活動は、漫画第5巻の紹介・感想でも振り返ることができます。
殴りたいほど働かされた現場から、確かに持ち帰ったものがある、その事実が、二人の関係を簡単に割り切れなくしています。

第8巻でも続くベンデリオの撮影への執念

全国武闘大会では、撮り逃しから次の取材へ

第8巻第38話では、全国武闘大会の予選を撮影するベンデリオが、フリーズに見逃せない試合を尋ねます。
フリーズはジオンが負けると伝えますが、その試合を撮る予定にはなっていませんでした。
優秀な監督でも、武闘家の実力まで正確に見抜けるわけではないのです。

第39話ではガンドルフの試合を撮り逃したこと、視聴者から苦情が来たことが語られます。

そこで彼は再びフリーズに情報を求めます。
フリーズが自分ではなく別の選手(ニールの侍女リネット)を勧めると、ベンデリオは面識があると言って、交渉を考えます。(ニアの兄 ニールの侍女だから、もちろん面識があるわけですが)
失敗したまま終わらず、詳しい人から聞いて次の撮影につなげようとする姿勢は、やはり彼の情熱ゆえでしょうか。

この場面は、彼の有能さと限界を一緒に見せてくれるのが面白いところです。
万能ではないからこそ取材をするし、視聴者の不満も放置しない。
大会の熱気と取材の背景は漫画第8巻の紹介・感想で追えます。

まとめ|ベンデリオはニアの天敵か、それとも恩師か

ベンデリオは、ニアの休暇を撮影で埋め、スタッフまで疲弊させる厄介な監督です。
同時に、視聴者の反応を仕事へつなげる実力を持ち、ニアへ魔法映像の技術を伝えた人物でもあります。

だからニアにとってベンデリオとは「仲がよい」「殴りたい」「感謝している」の一言では収まりません。
仕事ぶりへの敬意と、働かされることへの恨みが、どちらも残っている。
殴りたい。しかし師匠として認めている。この両立こそ、ベンデリオの最大の魅力だと思います。

皆さんには、くどい顔の頼れる名監督に見えるでしょうか。
それとも、一緒に働くのは遠慮したい監督でしょうか。
少なくとも、ニアが感じている両方の気持ちはよく分かります。

二人の関係を象徴する「師匠」の場面を原作で読むなら、漫画第5巻へ。
ニアが後輩へ助言する流れと、最後に添える一言をぜひ確かめてみてください。

漫画の紙版・電子版をまとめて比較したい方は、『凶乱令嬢ニア・リストン』購入ガイドも参考にしてください。

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